その88「経営と人」編
今月の話、「経営と人」は、私が社長になって、ことあるごとに話をしてきた言葉です。「経営」とは、企業が生き残るために、企業として売上・利益を生み出し続けていくこと、そして「人」とは、そこで働く人たちが皆、元気よく働き、会社という場所が人として成長する場であるということです。「経営と人」とは、企業で働くことを通じて、経営と人とが両輪となり、会社も人も成長していくことです。私が今読んでいる本「心を高める、経営を伸ばす」これは、京セラの稲盛和夫名誉会長が書かれた本であり、これも同じく、経営と人について書かれたものとなります。
そこで、今月はこの本に書かれてあることをまとめてみました。
「心を高める、経営を伸ばす」という言葉の中で、「心を高める」とは、人は利他の心を持つこと、すなわち自分ではなく、相手のためにと考える、思いやりのある美しい心を持つことです。相手のためにと働くことで、人のつながりが生まれ、そこにまた何かが生まれてきます。「忘己利他」、これは己を捨て相手のために尽くすという意味ですが、周りの人が幸せになることで、自分もまた幸せになっていくのです。これらを自らが実践することが、「心を高める」ということです。最近、日本のおもてなしが話題になっていますが、これが利他の心です。
また、「経営を伸ばす」とは、売上、利益をあげていくことです。ビジョンを描き、そこから目標となる数字を決め、数字を正しく捉え、実行していきます。しかし、現在の競争社会において、どの会社も努力をしており、努力を怠ったものは必ず負けます。よって企業として生き続けていくためには、誰にも負けない努力をする以外に生き延びていく方法はありません。「心を高める、経営を伸ばす」とは、与えられた仕事というものを通じ、心を高めるとともに、経営を伸ばしていくことです。これが、会社で働くという意味です。
ここで2つの言葉をよく考えてみると、ソミックの理念に通じています。「心を高める」とは「人のつながりを大切にする」ということ、また、「経営を伸ばす」とは「力いっぱい努力する」ということで、それは誰にも負けない努力をするということなのだと思います。そのつながりと努力が、世のため人のためとなり、誰からも愛される人となる、そんな人たちが集まることで愛される会社である、これが理念です。
<今月の本>
ある人から、「夢への扉に、社長がよく読む本を載せてください!」と言われました。どんな本を読んでいるかが分かると、その人の人となりが見えてきます。そこで、今月の1冊!!
普段私が一番読むのは実用書と呼ばれるもので、社長になってからはほとんどがこの類の本です。そのきっかけとなった1冊が、稲盛和夫・著「生き方」です。「何故、人は働くのか」「利他の心とは」「人として正しいことをしろ」「因果応報」「宇宙の流れ」など、ビジネス書ではありながらも、人の生き方、人として何をすべきかがそこには書かれていました。私がこれまでで最も影響を受けた本です。仕事に迷った人には、ぜひおすすめの本です!