夢への扉

その141 “温故知新 ~ターニングポイント~” 第1回「創業」

ソミックの歴史には多くの転機と挑戦がありました。そして今、新たなターニングポイントを迎えています。 長い歴史の中で、いったいどんな挑戦をしてきたのか、そこから何が受け継がれてきたのか、振り返ります。第1回目は、「創業」です。創業者の石川菊三郎は、1916年(大正5年)5月に石川鐵工塲を立ち上げました。
 
■「夢を創造、未来へ挑戦」 歴史の幕開
先月創業108周年を迎えたソミックですが、創業当初の作業場は、創業者石川菊三郎の自宅である長屋の土間と2畳の部屋をつぶしたものでした。製造設備も修行先の渥美鐵工所から独立に際し贈られた「ふいご」と自作の炉があるだけ。 現代で言う「ベンチャー企業」として、挑戦の歴史が始まったのです。
■「織機用の根角ボルト」 お客様のニーズと対話
創業当初は、織機用の根角ボルトを製造していました。根角ボ ルトとは、軸側の根本が四角になっているボルト。根元の四角部分がボルトを締める箇所にはまるため、一般的なボルトと違いナットの回転にボルトが供回りせず、片手で締めることが可能で作業性が良いです。 また、激しく動く織機は振動も大きく、ボルトも緩みやすいとされていましたが、根角ボルトは四角の部分をフレームにはめて締めるため、緩んでも増し締めが容易で、騒音の軽減効果も あったようです。 豊田自動織機との取引にこぎ着けようと、試作品を持ち込んでは断られ、改良してまた持ち込む菊三郎。そんな日々を繰り返す中、様子を見た駄菓子屋の店主が、店内の一角に試作品を置かせてくれることに。しかし、あまりの数に結局店主から怒られたとか。創業当初の熱意、受け継ぎたいものです。
根角ボルトは一般的なボルトと形状が違うため、織機用のフレームに取り付けるためには根角ボルトに対応していなければいけません。ただボルトを製造しているだけではだめで、織機の設計者や鋳物のフレームを造る人たちに自分たちの製品の良さを理解し、使ってもらうための対話がそこにはあったと思います。 お客様のニーズに合う製品開発は創業当初から行われており、現在の事業会社に受け継がれています。
~創意と工夫への熱意 ~
豊田自動織機との取引にこぎ着けようと、試作品を持ち込ん では断られ、改良してまた持ち込む菊三郎。そんな日々を繰り返す中、様子を見た駄菓子屋の店主が、店内の一角に試作品を置かせてくれることに。しかし、あまりの数に結局店主から怒られたとか。創業当初の熱意、受け継ぎたいものです。
 
※領家工場内「ものづくりはじまり館」には、根角ボルトや豊田自動織機が展示されており、根角ボルトの成形体験ができます。